屋根裏で「コトコト」「カサカサ」と音がする…。これはネズミが侵入したサインのひとつです。断熱材などをかじって巣を作り、夜になると活発に動き回ります。
問題は、その環境が人間と共存できないほど不衛生で危険なことです。
ペットや子どもがいる家庭では、まず安全性を最優先に考える必要があります。

ペットや子どもがいる家庭なら、化学薬剤に頼らない方法でも確実に被害を減らせます。
毒をエサ使わずに安全にネズミを駆除する方法
ねずみ駆除の定番「殺鼠剤(さっそざい)」は即効性がありますが、子供やペットの誤食・誤飲のリスクが高く、屋内での使用は危険です。
ねずみは、ワナや侵入口の封鎖など物理的”な駆除方法でも対処できます。
封鎖と駆除を同時並行で行うのがコツです。駆除後にふさぐと、巣に残った個体が家の中に逃げてしまう恐れがあります。
まず最初に行うべきは追い出しです。屋根裏にネズミがいる場合、昼間に強い光や音を与えるだけでも一時的に逃げ出すことがあります。
たとえば屋根裏に懐中電灯を照らし、金属棒などで軽く叩く。ネズミは静かで暗い環境を好むため、騒がしい場所は嫌います。
市販のハーブ系スプレーや、唐辛子成分を含むスプレーなどの忌避剤も安全に使える選択肢です。
次に捕獲です。粘着シートや捕獲器をネズミの通り道に設置します。通り道は、壁際・家具の裏・配管周辺など、フンや足跡がある場所を目安にしましょう。
粘着シートを使う場合は、10枚以上を並べて置くと効果が上がります。ネズミは飛び越えようとするため、隙間を空けずに設置するのがコツ。
捕獲器はエサにピーナッツバターや煮干しなど、香りの強い食材を使うと入りやすくなります。
そして最後が侵入口の封鎖です。侵入口を塞がなければ、いくら駆除しても新たに侵入されてしまいます。
2cm程度のすき間でもネズミは通り抜けるため、配管の根元、屋根の合わせ目、通風孔のまわりを金網やステンレスたわし、パテなどで封鎖します。屋根裏への通気口にも金網を貼っておくと安心ですね。
これらを同時に進めることで、ネズミの行動範囲を狭め、居心地を悪くできます。
重要なのは「安全と根気」。毒エサを使わない方法は時間がかかるものの、ペットと子どもの健康を守りながら確実にネズミを減らす現実的な方法です。


ペットや子どもに安全な駆除の基本方針
安全にネズミを駆除するための最初の原則は、「薬剤を使わない」ことではなく、「安全な管理のもとで環境を変える」ことです。
最初のステップは、ネズミの行動範囲を制限すること。屋根裏や壁の中は構造的にアクセスが難しいため、ネズミが通る経路を予測して遮断します。
通風孔・排水パイプ・エアコンの配管まわりなどの隙間をチェックし、ステンレスたわしや金網、モルタルなどで封鎖しましょう。
ネズミは柔軟な体で1.5cmほどの隙間を通れるため、目視よりも厳しめに「風が通る隙間は全部ふさぐ」くらいの意識で取り組むのが正解です。
次に、安全な駆除手段の選択です。粘着シートやバネ式のトラップは即効性がありますが、誤ってペットが触れると危険なので、設置場所を限定します。
屋根裏や押入れの奥など、日常的に出入りしないエリアにのみ使用してください。捕獲後のネズミは必ず手袋を着用して処理し、消毒液で周囲を拭き取ります。
死がいを屋根裏に放置すると、腐敗臭や虫の発生源になります。
そしてもう一つ大切なのが、環境そのものを変えること。ネズミは食べ物と巣材がある場所を好むため、キッチン周りの食材を密閉容器に入れ、ゴミ箱にはフタを付けます。
段ボールや布類など巣にしやすい素材も整理しましょう。これにより、ネズミが「ここは居心地が悪い」と感じて離れる確率が高まります。
安全な駆除とは「追い払う」だけでなく、「戻ってこない環境を作る」ことでもあります。
ペットや子どもが安心して過ごせる家を保つためには、手間を惜しまずに、徹底して続けることが肝心です。
「追い出す」「捕まえる」「入れない」をセットで考える
ネズミ対策を一度で終わらせたいなら、どれか一つだけをやるのではなく、「追い出す」「捕まえる」「入れない」を同時進行で進めることが重要です。
これらは三つで一つの仕組み。どれかが欠けると、せっかく減らしたネズミがすぐ戻ってきます。
三つのアプローチを並行して行うことで、ネズミが「居られない」「戻れない」環境が完成します。
いわば、退治ではなく“家の生態系をリセットする”作業です。単発的な駆除よりも、はるかに持続的な効果が期待できます。


薬剤を使わずに駆除効果を高める工夫
薬剤を使わないネズミ駆除は、安全だけれど「時間がかかりそう」「本当に効くの?」と感じる人も多いでしょう。
実際、化学的な即効性はありません。しかし、工夫次第でその効果を何倍にも引き上げることができます。ポイントは「ネズミの習性を逆手に取る」ことです。
まず、ネズミは決まった通り道(ラットラン)を使う生き物です。壁沿いや家具の裏を常に走るため、トラップや粘着シートはその動線上に並べて設置します。
角や隙間、配管の根元など“壁際の30cmゾーン”が狙い目です。特に、糞や足跡が見られる箇所は確実に通過ポイント。無闇に広げるよりも、ピンポイント設置のほうが効果的です。
次に、ニオイと警戒心のコントロールです。ネズミは嗅覚が非常に鋭く、人間の手の匂いや洗剤の匂いを嫌います。
シートや罠を設置する前に、手袋を着用して人の匂いをつけないようにしましょう。また、ネズミは“急な変化”を嫌うため、設置直後は警戒して近づきません。
最初の数日は餌を置くだけにして安心させ、数日後にスイッチを入れるのが効果的です。
環境要因で追い込む
ネズミは食料と水を求めて行動するため、台所・ペットフード置き場などの食べ物をすべて密閉し、流し台や水槽の水滴も拭き取ります。
食べ物がない状態を1週間維持するだけで、ネズミの行動範囲は狭まり、罠にかかる確率が上がります。
最後に、複数手段の組み合わせ。粘着シート・捕獲器・忌避剤・音や光の刺激を同時に使うと、ネズミは居場所を失って、外へ逃げるしかなくなり、結果近寄らなくなります。



要は、居心地を徹底的に悪くすること。危険な毒エサをつかわなくても、じわじわと確実に効いてきますよ!






