あらいぐまの被害から家を守る対策完全ガイド

夜、ふと目を覚ますと、屋根裏からガサガサ、カタカタという音が聞こえてくる。

「風かな?」と気にしないようにしても、なぜか毎晩、同じような時間に音がする。

ある日、軒先に土や黒い粒のようなものが落ちていたり、ベランダのゴミ箱が荒らされていたり…。

そんな経験をされている方、その原因はもしかしたらアライグマかもしれません。

目次

アライグマとは?危険性と習性を知る

アライグマは元々北米に生息していた動物ですが、日本ではペットとして輸入された個体が野生化し、現在では多くの地域で定着・繁殖しています。

アライグマの姿や特徴は?

アライグマは中型の哺乳類で、見た目はタヌキやアナグマとよく似ていますが、いくつかの特徴的な違いがあります。

体の毛色はやや灰がかった茶色で、目の周囲にはまるでマスクをしているかのような黒い模様があります。また、鼻先から額にかけては一本の黒い筋が通っており、尾には白と黒の縞模様があるのが大きな特徴です。

成獣の体長はおおよそ42〜60cm、尾の長さは20〜40cm前後、体重は4〜10kg程度で、タヌキより一回り大きく、尾も長めです。

前足・後ろ足ともに5本指を持ち、特に前足は非常に器用で、人間の子どもの手形にも似た足跡を残すことがあります。

どんな場所に出没する?

アライグマは非常に適応力が高く、山林・湿地・農地だけでなく、住宅街などの人が暮らす場所にも定着することができます。

特に木登りが得意なため、果樹園での収穫被害や、家屋の屋根や軒先から侵入する事例が多く報告されています。

習性や繁殖について

夜行性で、主に夕方から夜にかけて活動し、食べ物は果物・野菜・穀物・昆虫・小動物など幅広く、雑食性です。

1年に1回、主に春先に繁殖期を迎え、1回の出産で3〜6頭程度の子どもを産み育てることが多いとされています。

  • 夜行性で、人の目に触れにくい時間帯に活動します
  • 雑食性で、果物・昆虫・小動物・生ゴミまで何でも食べます
  • 手先が器用で、簡易的な封鎖やゴミ箱などは自分で開けられます
  • 木登りや屋根裏の侵入が得意で、2階建ての住宅でも被害が発生します
  • 繁殖力が強く主に春先に繁殖期を迎え、1回の出産で3〜6頭程度の子どもを産み育てることが多い

アライグマは見た目の可愛らしさとは裏腹に、家屋や人間の生活環境に深刻な被害を及ぼす外来生物です。

さらに、アライグマは「特定外来生物」に指定されており、許可なく捕獲・移動・飼育することは禁止されています

アライグマは個人では捕獲や駆除はできない

アライグマは鳥獣保護管理法および外来生物法によって厳しく管理されています。

そのため、個人の判断で捕獲したり殺処分したりすることは法律違反となります。

もし被害が発生している場合は、まずお住まいの市区町村に「有害鳥獣捕獲許可」を申請しなければなりません。

自治体によって申請の手順や必要書類は異なり、申請には専門的な知識が求められ、個人で対応するのは容易ではありません。

加えて、アライグマは非常に賢く、気性が荒い生き物です。不用意に近づくと、ケガや感染症の危険もあるため、実際の駆除作業は専門業者に依頼するのが安全です。

自治体によっては、駆除費用の一部を助成する制度があるため、まずは市区町村の「鳥獣被害相談窓口」へ問い合わせてみましょう。

参考

自分で駆除を行う危険性とリスク

「自分で何とかできそう」と思いがちですが、アライグマを素手で追い出すのは非常に危険です。
ここでは、知っておくべき主なリスクを整理します。

ケガや感染症の危険

アライグマは追い詰められると攻撃的になり、鋭い爪や歯で反撃してきます。


引っかき傷や噛みつきはもちろん、感染症のリスクも伴います。

特に注意すべきは以下のような病気です:

  • レプトスピラ症:尿を介して感染し、発熱・筋肉痛・腎不全などを引き起こす細菌感染症。

  • アライグマ糞線虫症:糞に含まれる寄生虫が原因で、神経障害を起こすことがある危険な疾患。

法律違反のリスク

無許可で捕獲・処分した場合、鳥獣保護法や外来生物法に違反する可能性があります。

違反した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されることもあります。

追い払い目的であっても、動物を傷つけてしまえば処罰の対象になるケースがあります。

再発のリスク

一時的に追い出せても、侵入口を塞がなければすぐ戻ってきます。アライグマは非常に記憶力が良く、同じ場所に何度も出没します。

専門業者であれば、侵入口の特定や再発防止施工まで一括対応してくれます。

見逃してはいけない被害の兆候

以下のようなサインが見られる場合は、すでにアライグマが家屋に侵入している可能性があります。

サイン 観察される現象 推定されるリスク・意味
屋根裏や天井裏の物音 ガサガサ、カタカタ、物音が伝わる アライグマが活動中・侵入確定の可能性
軒先や壁からの落下粒 土・砂・黒色の粒が落ちてくる 巣材や排せつ物の移動・ねぐら化の証拠
木材・壁材の引っかき傷 柱・軒桁・パネルに引っかき傷あり 通り道・侵入口確保の痕跡
異臭・排せつ物の痕跡 動物臭、糞・尿の跡、湿り気 住処として定着し始めている可能性
断熱材・壁材の損傷 断熱材ボロボロ、壁裏材の腐食 構造材の劣化・衛生被害拡大リスク
ゴミ箱荒らし・庭の被害 ペット餌・残飯が散らかる 餌場として認知されている可能性
近隣での目撃情報 夜中の洗いぐま目撃発言など 活動地域が近く、被害拡大リスクあり

被害を広げないために今すぐできる予防策

被害の初期段階、あるいは侵入を防ぐためには、以下のような対策が有効です。

アライグマの捕獲には許可が必要ですが、追い払うだけであれば特別な資格は不要です。

  • 忌避剤を使う

    市販されている害獣用の忌避剤には、アライグマが嫌う成分(木酢液・ハーブ・唐辛子など)が含まれています。スプレー・液体・ゲル状タイプなどがあり、価格は1,000円〜5,000円程度です。
    足跡や糞の跡が見つかった場所、屋根裏・通風口などに設置すると効果的です。

  • 燻煙タイプの追い出し剤を使用する

    害虫駆除と同様に、煙でアライグマを退避させるタイプの商品もあります。
    屋根裏のような密閉空間では特に効果が高く、価格も比較的手ごろです(1,000円〜1,500円ほど)。使用後はしっかり換気を行い、火の扱いに十分注意してください。

  • 超音波装置を設置する

    高周波音を発してアライグマを遠ざける装置もあります。電源を入れるだけで使える簡易タイプが主流で、屋内外両用モデルも販売されています。効果範囲は機種によって異なりますが、複数設置することで広範囲の対策が可能です。

  • 天然素材の香りを利用する

    ハッカ油や木酢液、ローズマリー・ラベンダーなどの強い香りはアライグマが嫌う傾向があります。布やコットンに染み込ませて侵入経路付近に置くだけでも効果的です。ただし、雨や風で香りが弱まるため、数日ごとに交換しましょう。

専門業者への依頼が安全で確実

アライグマは知能が高く、家庭での対応には限界があります。

専門の駆除業者であれば、経験に基づいた最適な方法で、安全かつ確実に駆除を行ってくれます。

駆除業者の利点
  • 現地調査で被害範囲を正確に把握
  • 法律に則った捕獲・防除手続き
  • 駆除後の消毒・清掃・再侵入防止施工まで一括対応
  • アフター保証付きで再発時も安心

まとめ

アライグマの駆除は、法律の制約や安全面、再発リスクのすべてを考慮する必要があります。

自分で対策する際は、忌避剤・超音波装置・香料などをうまく組み合わせ、「追い出す」ことにとどめるようにしましょう。

ただし、被害が続く・屋根裏で営巣している・糞尿被害がある場合は、
早急に専門業者へ依頼することをおすすめします。

早めの対応が、家の劣化も心の不安も防ぐ第一歩です。

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